Q 文章の構成が分からない.

研究論文はエッセイやコラムではありません。論文として成り立つためには、決まった構成の流れが必要です。情報系の論文なのか、社会系の論文なのかによって文章構成は変わりますが、例えば情報系の論文なら具体的な研究の実装・及び評価が含まれ、社会科学系の論文なら関連研究や先行研究の言及に重きが置かれます。ここでは、文章の構成の大まかな流れを説明します。

・要約、抜粋
本論に入る前に、要約(アブストラクト)を書く必要があります。特に査読付き論文などの場合は、その研究が学術的に価値があり読むに値するかを判断する大切な部分なので、誰にでも分かりやすく伝わるように書くことが大切です。実験、分析を行った場合は詳しいデータには触れずに、結果のみを簡潔に書きます。

・はじめに(背景、目的)
論文のテーマが決まったら、なぜ筆者がそのテーマを設定したか、研究の意義は何か(この研究が社会にどう貢献するのか)をはじめに示さなければなりません。筆者が研究に興味を持った理由、経緯などはつい書きたくなりますが、学術的に特に必要ない情報であればあまり文字数を割かない方が良いでしょう。学部の課題レベルであれば許容される場合もありますが、修士以上の学位論文ではあまり歓迎されません。

・先行研究
論文を書く際に分野を問わず欠かせないのが先行研究です。自分が取り組んでいる研究に説得力を持たせるために、既に行われている参考になりそうな研究を洗い出し、関連づけます。単なる紹介ではなく、それが自分の研究にどう影響しているのかを論じ、批判的に読み解くように心がけます。先行研究への言及がないと、説得力のない薄い論文になってしまいます。どうやって先行研究を見つければいいのかについては、研究テーマ・トピック選定のカテゴリの「文献調査・先行研究調査、リサーチ・サーベイ方法」に詳しく載っていますので、そちらを参照してください。

・仮説
社会科学系の論文では必ず仮説を立てます。情報・技術系の論文では仮説がない場合もありますが、基本的に分析→評価→考察という流れは変わりません。自分の中で問題意識を明らかにし、しっかりした仮説に落とし込むためにも、先行研究の言及が大切になってきます。

・提案、設計、実装
情報・技術系の論文では新たなプロダクトやサービスの提案が多くなるため、その設計、実装に関する記述が重要な部分を占めます。実際にデモやプレゼンテーションをする機会がある場合もありますが、ない場合もあります。どういうプロダクトが提案されるのか全くその研究を知らない人でも分かるように、図や写真なども入れて書くようにしましょう。

・評価、考察
プロダクトやサービスを提案する研究では、それを提案して終わりではなく、その後の評価まで言及するのが望ましいです。その提案にどれくらいの実現可能性(フィージビリティ)があるのか、どのような評価軸を設定すればその価値がはかれるか、といった内容を述べた上で、実際の評価と考察を行います。社会科学系の論文では仮説を立証するために集めたデータを分析し、考察します。

・まとめ、展望
今まで執筆してきた内容をまとめます。評価の結果はどうだったのか、仮説が立証されたのか、もし立証できなかったならそれは何故なのか、を簡潔に書きましょう。今回の研究が今後にどう生かせるか、新たに浮かび上がった解決すべき課題などにも触れると将来的に意義のある論文になります。

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